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一文一義とは?一読で理解できる文の書き方|3つのポイントで劇的に変わる

一文一義とは
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「一文一義」とは、「1つ文に1つの情報だけを書くこと」です。

「一読しただけで理解することができる文章」を書く上で欠かせない、文章表現の1つです。

一文一義の書き方を心得ておくと、次のような課題を解決することができます。

  • 文章がわかりにくいと言われる
  • 文が長くて読みにくいと言われる

「一文一義」はプロのライターも意識している、文章を書く上での基本です。メールや社内文書など、日常の文章作成にも活用できます。

この記事では、教育業界や金融メディアで「わかりやすく伝える」「正しく伝える」ことについてのノウハウを蓄積してきた筆者が、「一文一義で書くためのポイント」について解説します。

一文一義(一文一意)とは?

一文一義とは、「1つ文に1つの情報だけを書くこと」です。「一文一意」や「ワンフレーズ、ワンセンテンス」のように表現する場合もあります。

たとえば、次の文を見てください。

節約をする人が増えたが、なかでもポイ活は人気がある。

この文の中には、次の2つの情報が含まれています。

  • 節約をする人が増えた
  • ポイ活が人気

この場合、「一文二義」ということになります。

一文一義にすると、次のようになります。

節約をする人が増えた。なかでもポイ活は人気がある。

この場合、ほとんど「、」が「。」に変わっただけなので、「読みやすくなった」という実感はわかないかもしれません。

文が長くなると、よりわかりやすくなります。

次の文はどうでしょう。

近年物価が高騰していることを受けて、節約をする人が増えてきているが、節約方法は「外食を減らす」「ポイ活」「光熱費を抑える」など多岐にわたっており、なかでもポイ活は人気がある。

この文の中には、いくつの情報が含まれているでしょうか。

  • 近年物価が高騰している
  • 節約をする人が増えた
  • 節約の方法は多岐にわたる
  • ポイ活が人気

情報が2つ増えただけで、とても読みにくい文になってしまいました。

一文一義にすると、次のようになります。

近年物価が高騰している。節約をする人が増えた。節約方法は「外食を減らす」「ポイ活」「光熱費を抑える」など多岐にわたっている。なかでもポイ活は人気がある。

ぶつ切れの印象を受けるかもしれませんが、読みやすくなったのではないでしょうか。

一文一義は、あらゆる「文章術」の書籍で言及されており、「読みやすい文章」を書く上での原理原則ともいえます。

一文一義のメリット

一文一義のメリットは、「読みやすくなること」と「理解しやすくなること」です。

通常、人は前から順番に文章を読んでいきます。一つの文の中に、複数の情報が入っていると、「前に何が書いてあった?」「これはどこに結びつく?」など、いろいろなことを考えながら読むことになります。

一文一義であれば、書かれている情報は1つしかないので、あれこれと考えずに読むことができます。

一文一義のデメリット

一文一義にすると、わかりやすくなる反面、少し稚拙な印象を与える可能性があります。

先程の文を見てみましょう。

近年物価が高騰している。節約をする人が増えた。節約方法は「外食を減らす」「ポイ活」「光熱費を抑える」など多岐にわたっている。なかでもポイ活は人気がある。

前半部分は、短い文が続き、少し稚拙な印象を受けるのではないでしょうか。

こうした場合にはじめて、文をつなげればよいのです。

近年の物価高騰の影響で、節約をする人が増えた。節約方法は「外食を減らす」「ポイ活」「光熱費を抑える」など多岐にわたっている。なかでもポイ活は人気がある。

どうでしょうか。

一文一義のデメリットは、文をつなげるだけで解消できてしまいます。

一文一意の書き方|3つのポイント

次に、一文一義で文章を書くときのポイントを解説します。

  • 接続助詞を使わない
  • 修飾語を使わない
  • 読点を打ちすぎない

接続助詞を使わない

接続助詞とは、「前後の文や文節をつなぐ言葉」です。

【接続助詞の例】

  • ~けれど:雨が降ったけれど、傘はさしていない。
  • ~ので:雨が降ったので、傘をさしている。
  • ~ば:雨が降れ、傘をさす。
  • ~し:雨が降った、風もふいた。

接続助詞は、文と文をつなぐ役割があるので、当然前後の文には情報が含まれています。接続助詞を使うと、必ず一文に2つ以上の情報が入ることになります。

接続助詞で文をつなげるほど、情報が多くなっていきます。

修飾語を使わない

修飾語は、「ほかの部分の内容をくわしくする言葉」です。

  • どんな:私は、黒い傘を買った。
  • どこで:私は、コンビニで傘を買った。
  • どのように:私は、急いで傘を買った。

修飾語も、文をくわしくするための「情報」です。あまり使いすぎると、情報が多くなって、読みにくくなってしまいます。

私は、コンビニで急いで黒い傘を買った。

Web記事やビジネス文書の場合、修飾語は不要なケースが多いです。余計な情報を入れないよう、必要最低限にするようにしましょう。

読点を打ちすぎない

「読点(、)」の数は、情報の数と比例していると考えておくとよいでしょう。

たとえば、先程の事例を見てみましょう。

近年物価が高騰していることを受けて、節約をする人が増えてきているが、節約方法は「外食を減らす」「ポイ活」「光熱費を抑える」など多岐にわたっており、なかでもポイ活は人気がある。

4つの情報が、3つの読点で区切られている事がわかります。一文のなかに読点が2つ以上あったら、「情報が多い」可能性が高いです。

読点1つにつき、情報が1つ増えると考えておくと、情報の多い部分を探しやすくなります。

一文一義の例文

では、長い一文を、一文一義にする練習をしてみましょう。

大手化粧品メーカーが発売した新しい商品は、素材にこだわった本格オーガニックコスメで、20代女性を中心に口コミが広がっているし、とても高評価を得ています。

まず、この文に含まれている情報を箇条書きにしてみましょう。

  • 大手化粧品メーカーが新しい商品を発売。
  • 素材にこだわった本格オーガニックコスメ。
  • 20代女性を中心に口コミが広がっている。
  • 高評価を得ている。

次に、この情報を並べてみましょう。

大手化粧品メーカーが、新しい商品を発売しました。素材にこだわった、本格オーガニックコスメです。20代女性を中心に口コミが広がっています。高評価を得ています。

これでもOKですが、後半が稚拙な印象を与えるので、つなげてみます。

大手化粧品メーカーが、新しい商品を発売しました。素材にこだわった、本格オーガニックコスメです。20代女性を中心に口コミが広がっており、高評価を得ています。

一文一義に分解してから再結合することで、ぐっと読みやすくなったのではないでしょうか。

一文一義の練習方法

一文一義の練習をするのに適した方法を紹介します。一文一義の練習方法として、筆者は次の2つをおすすめします。

  • 本や映画の要約
  • X(twitter)での投稿

本や映画の要約

「読んだ本」や「観た映画」などの内容の要約は、とてもよい練習になります。一文一義の練習なので、箇条書きでOKです。

どんな内容だったのか、心に残った場面はどこか、どんなことを感じたのか、などを箇条書きにしてまとめましょう。

可能であれば、書いた要約を誰かに読んでもらうのがよいでしょう。

X(twitter)での投稿

Xでの投稿は、140文字という字数制限がある点が、一文一義の練習に適しています。一文約40文字を3文程度で書かなくてはならないため、書く情報を「絞る」必要があります。

前述した「本や映画の要約」をXで投稿するのも良い練習になるでしょう。

また、Xでは読者がいる点もメリットです。よい投稿ができれば反応が得られるので、練習するモチベーションにもつながります。

まとめ:一文一義は「読みやすい文章」の基本

「一文一義」について、意味や書き方のポイントを解説しました。「1つの文に1つの情報だけを書くこと」は、文章を書く上での基本です。

一文一義で文章を書けるようになると、そこから文をつなげて、ワンランク上の文章が書けるようになります。

自分の文章が「読みにくい」「わかりにくい」と感じたときは、「一文一義」に立ち返りましょう。大抵の課題は解決します。