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文章が下手なWebライターの特徴|編集者が求める5つのポイントと効果的な改善策

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Webライターは、パソコン1つで誰でも始められる仕事として、人気を集めています。

編集者である筆者は、多くのライターさんとお仕事をさせていただいていますが、残念ながら「文章が下手」なライターさんは一定数存在します。

では、編集者やディレクターは何をもって「文章が下手だな」と判断をするのでしょうか

この記事では、年間700本以上の原稿を編集している筆者が、「文章が下手」と感じるWebライターの特徴と、「これだけは抑えてほしい」というポイントについて解説します。

実際のところ、Webライティングに必要なのは高度な文章力ではありません。簡単なことを抑えて置くだけで、「文章下手」を脱却し、信頼されるWebライターになれるはずです。

文章が下手なWebライターの特徴

Webライターとしてお金を得る以上「文章が下手」という評価は受けたくないものです。

筆者は年間700本以上の原稿を校正していますが、残念ながら「文章が下手」と感じる原稿は一定数あります。

筆者が「文章が下手」と感じるライター(原稿)の特徴は、以下の通りです。

  • 記事のテーマが定まっていない
  • 誰に向けて書いているか分からない
  • 冗長な表現が多い
  • 読みやすい表現で書いていない
  • 正しい日本語で書いていない

記事のテーマが定まっていない

よくある事例は「記事のテーマが定まっていない」ことです。記事のテーマが定まっていないと、何について書かれている文章なのかが分からなくなってしまいます。

本当は文章力があるライターさんでも、記事のテーマが定まっていないことによって、よくわからない文章になってしまうことは多々あります。

テーマが定まっていないと、どんなに文章力があっても、魅力的な文章に仕上げるのは困難です。

言語学者の外山滋比古さんは、「一口(一文)で言えてはじめて、テーマと言える」と述べています。あれこれ説明しないといけないうちは「テーマ」とは言えないと。

文章のテーマは、一文で言えることが重要です。逆に、一文で表現できない場合は「記事のテーマが定まっていない」ということです。

原稿を書き始める前に、「この記事のテーマは何か」を一文でまとめておく必要があります。

誰に向けて書いているか分からない

誰に向けて書いているか分からない記事は、結論があいまいになります。

例えば、「投資」について書こうとする場合、「初心者」が読むのか「上級者」が読むのかによって、展開も結論も異なってきます。

また、誰に書くのかによって、選ぶ言葉も変わってきます

上級者向けであれば、ある程度専門用語や難しい言葉が出てきても許容されます。しかし、初心者が相手の場合は、平易な言葉に言い換えたり、補足説明をしたりする必要があるでしょう。

「記事のテーマが定まっていない」「誰に向けて書いているか分からない」については、文章力があるライターでも、陥る可能性があります。

初心者ライターがこのような文章を書いたら、目も当てられません。「テーマ」と「ターゲット」はきちんと定めるようにしましょう。

冗長な表現が多い

ここからは、単純な「文章力」の話になります。

ほんとうの意味で「文章が下手」と感じるのは、「冗長な表現が多い」「読みやすい表現で書いていない」「正しい日本語で書いていない」の3つです。

「冗長な表現」とは、ダラダラと長く無駄の多い表現のことです。

たとえば、次の文を見て下さい。

ランニングは、一般的に初心者でもとてもはじめやすいスポーツで、20代を中心とした若い女性の人たちから、年配の女性の人たちにいたるまで、とても人気があります。

この文だけ見ると、「本当にこんな文を書くライターがいるの?」と思うかもしれません。

しかし、実際にはこういった事例はとても多く見られます。「文章力があると思われたい」「他の人とは一味違うと思われたい」と考えていると、このような文を書いてしまうことになります。

また、初心者のうちは、一文にあれこれ情報を詰め込みがちです。そういった場合も、文が冗長になります。

ランニングは、初心者でもはじめやすいスポーツです。幅広い年代の女性に人気があります。

これで十分伝わりますね。

一文の適量は40~60文字以内と言われています。自分の原稿を見て、60文字を超える文がたくさんある場合は、要注意です。

読みやすい表現で書いていない

「読みやすい表現」とは、「一度読んだだけで理解できる表現」ということです。

たとえば、難しい言葉や専門用語がたくさんでてくる文章や漢字の多い文章は、「読みやすい」とは言えないでしょう。

文章が下手な原稿は、とにかく読みにくいです。音読をするとつっかえます。文章をただ読むだけでも時間がかかり、理解するとなるとさらに時間がかかります。

日本人が文字を読むスピードは、1分間に600文字程度と言われています。2000文字の原稿なら約3分、3000文字の原稿なら5分程度で読めることになります。

自分の原稿を読んでみて、これ以上の時間がかかるようであれば、読みにくい文章の可能性が高いです。

正しい日本語で書いていない

正しい日本語を理解していないライターさんも、少なくありません。

特に「主語と述語がねじれている」「因果関係が正しくない」はよく見られる事例です。

日本語は難しい言語なので、すべての文法を正確に理解する必要はありません。

しかし、最低限のルールは理解しておく必要があるでしょう。

これだけは!編集者が求める5つのポイント

文章力の向上は、一朝一夕でできることではありません。しかし「文章が下手」と思われないために、簡単かつ効果的なポイントがあります。

ここでは、筆者が編集をする中で「これだけはおさえておきたい」という5つのポイントを解説します。

  • 一文一義を心がける
  • 短い文を心がける
  • 主語と述語をそろえる
  • 難しい言葉は避ける
  • 声に出して読む

一文一義を心がける

一文一義とは「一つの文に一つの情報だけを書くこと」です。

文章の原則は「一文に【主語と述語】の組み合わせは一つ」です。

「何がどうなった」「何がどうだ」を基本として、本当に必要な情報のみを加えるようにしましょう。

たとえば次の文を見てください。

副業をする人が増えたが、なかでもWebライターは人気がある。

もちろんこれでも間違ってはいません。

ここで重要なのは、この一文には2つの情報が入っていることに気づけるかどうかです。

  • 副業をする人が増えた
  • Webライターは人気がある

一文一義にするとこうなります。

副業をする人が増えた。なかでもWebライターは人気がある。

このことを理解していれば、一文が長くなったときに気づけるようになります。

「一文一義」については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

一文一義とは
一文一義とは?一読で理解できる文の書き方|3つのポイントで劇的に変わる「一文一義」とは、「1つ文に1つの情報だけを書くこと」です。「一読しただけで理解することができる文章」を書く上で欠かせない、文章表現の1つです。「一文一義」はプロのライターも意識している、文章を書く上での基本です。メールや社内文書など、日常の文章作成にも活用できます。...

短い文を心がける

前述の通り、一文の適量は40~60文字です。「一文一義」に徹していれば、この文字数を超えることはまず無いと考えてよいでしょう。

ただし、状況によっては一文で2つ以上の情報を書かなければならない場面もあります。

そういった場合は、一文が40~60文字以内に収まるように、気をつけましょう。

GoogleドキュメントやMicrosoft Wordなどを使って文章を書く場合、1.5行でおよそ60文字です。(デフォルトの設定)

一文が2行程度になる場合は、「長い」と思ってほぼ間違いありません。短くしましょう。

主語と述語をそろえる

「文章が下手」な原稿でよく見るのが、「主語と述語のねじれ」です。

次の文を見てください。

A社の新商品は、20代女性をターゲットにして開発した。

「開発した」のは「A社」なので、主語は「A社は」とすべきです。

A社は、20代女性をターゲットにした新商品を開発した。

書いている本人は、脳内で情報を関連付けながら書いているので、文が正しくなくても理解できてしまいます。

そのため、こうした「主語と述語のねじれ」には気づきにくい傾向があります

文章を書いている途中では気づかないため、読み返す必要があります。書き上げた原稿を推敲することで、主語と述語のねじれを防ぎやすくできます。

難しい言葉は避ける

難しい言葉や専門用語は、極力避け、簡単な言葉を使うようにしましょう。

言葉を選ぶときの基準は、以下のとおりです。

  1. 分かりやすい言葉を選ぶ
  2. 昔から使われている言葉を選ぶ
  3. 適当な言葉がない場合、新しい言葉を使う

ただし、昔から使われている言葉でも、あまり耳馴染みがない場合は、俗語を使ったほうがよい場合もあります。

また、専門用語については、記事のターゲットによっても許容される場合があります。

声に出して読む

最も重要で、大きな効果が期待できるのは「音読する」ことです。文章の上手い下手に関わらず、書き上げた文章は一度「音読」することを強くおすすめします。

音読は多くの文章のプロが実践している方法で、「文章の間違い」や「違和感」を見つけるのにとても効果があります。

特に、文章が下手な人ほど効果が大きいと言えます。

自分が書いた文章を音読してみてください。「つっかえた箇所」は、読者も必ずつっかえます。ここが「読みにくい箇所」ということになります。

音読してつっかえた箇所を書き直すだけでも、文章は格段に読みやすくなります。

音読については、谷崎潤一郎や川端康成、三島由紀夫といった文筆家も、声をそろえて大事にしているポイントです。

文章下手を脱却するための改善策

「これだけは抑えておきたいポイント」を解説しましたが、「文章が下手」な状態を脱却するには、「文章力」を根本的に改善する必要があります。

結論、文章下手を脱却するには、「学ぶ」「練習する」「経験する」を繰り返すしかありません。

ここでは、以下の3ステップに分けて解説します。

  • 基礎を学ぶ:書籍や講座で正しい書き方を学ぶ
  • 練習を積む:ブログ、Xへの投稿、スクールで練習する
  • 実践で経験を積む:ライター案件でのスキルアップ

基礎を学ぶ:書籍や講座で正しい書き方を学ぶ

文章力をつけるには、「正しい書き方」を知ることが大切です。

いくら文章を書いても、「正しいかどうか」がわからなければ、上達のしようもありません。

文章の書き方を学ぶには、「名文を読む」「優れた文章をまねする」のが良いと言われています。

しかし、いきなり「名文をまねしろ」と言われても、何をどうまねすればよいのか分からないのが実情でしょう。

Webライターとして身につけておきたい文章の基礎については、幸い多数の書籍が発行されています。

まずは、「文章力」に関する書籍を2.3冊読んでみることから始めるとよいでしょう。

こちらの記事では、おすすめの書籍を紹介しているので、何を読んだら良いか分からない人は参考にしてみてください。

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また、本サイトでは「わかりやすい文章の書き方基本ガイド」も公開しています。

3つの視点と22のルールにまとめているので、参考にしてみて下さい。

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練習を積む:日記、Xへの投稿、スクールで練習する

文章下手を脱却するには、インプットも重要ですが、それ以上にアウトプットが重要です。

例えば、ピアノが上手くなりたいのであれば、ピアノを弾かずには上達しません。

サッカーが上手くなりたいのであれば、ボールを蹴らずには上達しません。

文章も同じです。極論、文章は書くことでしか上達しません

文章を書く練習方法は、日記、手紙、ブログ、SNSへの投稿などさまざまですが、できれば「読者」がいる方法が良いでしょう。

文章を書く目的は「誰かに読んでもらうこと」です。誰かに読んでもらう必要がないのであれば、そもそも「文章下手」を脱却する必要はありません。

詳しいトレーニング方法については、こちらの記事で紹介しているので、参考にしてください。

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実践で経験を積む:ライター案件でのスキルアップ

先程ピアノとサッカーの例を出しましたが、ピアノの場合は人前での発表(本番)、サッカーの場合は試合が、最も経験値を上げてくれる場です。

文章の場合は、「ライターとしての仕事」が最も経験値を上げてくれる場、と言っても過言ではありません。

クラウドソーシングなどで積極的にライター案件に応募し、挑戦してみるとよいでしょう。

もし仕事につながれば、学習のモチベーションアップにもつながります。

また、ライティング講座を利用するのも効果的な方法です。

ライティング講座の場合、プロのライターや編集者の講座が受けられるだけでなく、添削指導も行ってくれます。

仕事に直結する極意がピンポイントでわかるため、より確実に、より早くスキルアップしたい人におすすめの方法です。

さらに、スクールによっては、カリキュラム修了後に、仕事を依頼してもらえる場合もあります。

あなたのライターキャリア講座

まとめ|Webライターに高度な文章力はいらない

文章が下手なWebライターの特徴について解説しました。ライターだからといって、高度な文章力が必要なわけではありません。

最低限、必要なポイントが抑えられていれば、誰でも「文章下手」は脱却できるはずです。

それでも難しいと感じる場合は、書籍などで「正しい文章の書き方」から学習してみることをおすすめします。