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書評・レビュー|取材・執筆・推敲 書く人の教科書

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今回紹介する本は、『取材・執筆・推敲 書く人の教科書』(ダイヤモンド社)です。

著者は、ライターの古賀史健さん。

古賀史健さんは、『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』などのベストセラーを生み出した、ライター界のトップランナーです。

本書は、「もしぼくが『ライターの学校』をつくるとしたら、こんな教科書がほしい」というコンセプトでまとめられています。

本書の概要

取材・執筆・推敲 書く人の教科書
著者:古賀史健
出版:ダイヤモンド社
初版:2021年4月6日
価格:3,000円+税
頁数:476ページ

本書は文章を書く工程を、「取材」「執筆」「推敲」の3つのカテゴリーに分けて解説しています。

取材:第1章~第3章

取材とは「何かを知ろうとすること」と定義し、そのプロセスを3章にわけて解説しています。「読む」「聞く」「考える」の3段階のプロセスで、取材における重要なポイントを紐解きます。

第1章では、おもしろい文章を書くには、まず「読者としての自分」を磨くことが重要とした上で、「読む力」の付け方を解説しています。

第2章では、「きく」ことを「聞く」「聴く」「訊く」に分類し、取材に必要な力としての「聴く力」と「訊く力」について解説しています。

執筆:第4章~第7章

本書の中心となる部分で、4章、230ページ(本書のおよそ半分)にわたって、丁寧に解説しています。

第4章~第6章では、文章の構造や構成の考え方、文章のスタイルについて。

第7章では、原稿に必要な要素を「リズム」「レトリック」「ストーリー」の3つに分けて解説しています。

ライターや編集者が日々悩み、「知りたい」と思っていることが集積されています。

推敲:第8章~第9章

推敲なくして文章は完成しない。そんなメッセージがひしひしと伝わってくる重要な章です。

自分が書いた原稿をどのようにして「客観視」するかについて、「時間的な距離」「物理的な距離」「精神的な距離」という3つの視点で解説しています。

ここでおもしろいのは「編集者とはなにか」について触れているところです。ライターと編集者の関係や、編集者はどのような存在であるべきかについて語られています。

全ライター・編集者の必読書

本書を読むことで、文章の見え方、文章の常識が大きく変わります

いわゆる「文章術の本」には、「一文は短く」「主語と述語をねじれさせない」「『は』と『が』を使い分ける」といった、具体的なテクニックが書かれています。

しかし、本書ではこのような「テクニック」の解説は一切ありません

たとえば、数学のテストのために「公式」を覚えたとしても、テストが終わればすぐに忘れてしまいます。本当に理解するには、「なぜその公式を使うのか」を理解する必要があります。

「なぜその公式を使うのか」の部分を、丁寧に解説しています。そのため、本書を読むことで、ほかの「文章術の本」で学んだ「テクニック」の理解が深まります。

「テクニック」よりも先に知っておきたい、「文章の基本」が詰まった一冊です。

私がもっとも「おもしろい」と感じたのは、「5章:構成を考える」の「絵本で構成を学ぶ」という部分。

「ももたろう」のストーリーを描いた30枚のイラストから、10枚を選んで「わたしの絵本『ももたろう』」を作るというワークです。

30枚から10枚に絞り込み、なぜその10枚を選んだのか明確な理由を考えます。

実際にやってみると、適切な構成を考え、情報を取捨選択することの難しさを痛感します。一方で、一度やってみるだけでも、構成を考える力が向上していることを実感できます

「ライターの教科書」というコンセプトの通り、ライターや編集者を職業としている人向けの書籍です。

かなりボリュームがありますが、副業ライターも含めて、文章にかかわる仕事をしている人の「必読書」といえます。

取材・執筆・推敲 書く人の教科書 [ 古賀 史健 ]

価格:3300円
(2024/2/16 15:19時点)